世界一有名な 理論物理学者のスティーブン・ホーキング氏は2018年3月14日に死去されましたが、生前にホーキング氏が残していたアーカイブを元にご家族や仕事仲間などの共同作業により発行された本です。
「BOOK」データベースより
「世界でもっともすぐれた科学者」と名高いホーキング博士が生涯をかけて挑んだのは、誰も解き明かしていない究極の問いだった。「宇宙の始まりとは?」「人類は地球に住み続けるべきか?」「AIは人間を超えるか?」など10の難問に、ウイットを交えながら明快に答える。今を生きる私たちへのメッセージが詰まった、博士からの最良の贈り物。
私は宇宙の謎とか物理学とかが元々好きでしたので、1988年に発行された「ホーキング宇宙を語る」を購入してホーキング博士を知りました。それ以降、博士のニュースや本を見聞きしていましたが、今回の本で最後になります。
本の内容は誰もが疑問(人類の難問)に思う事について、博士の考えが述べられています。10の難問について。
- 神は存在するのか?
- 宇宙はどのように始まったのか ?
- 宇宙には人間のほかにも知的生命は存在するのか ?
- 未来を予言することはできるのか?
- ブラックホールの内部には何があるのか?
- タイムトラベルは可能なのか?
- 人間は地球で生きていくべきなのか?
- 宇宙に植民地を建設するべきなのか?
- 人工知能は人間より賢くなるのか?
- より良い未来のために何ができるのか?
ニュース のインタビューや公演などで難問について話をしたものもありますが、文章で読むとやはりしっくりきます。目次を見た時、その中でも私が読みたかったは3つ。
”神は存在するのか?”
日本人は信仰が浅いので、簡単に「おらんやろ」とかの回答になりますが、外国ではそう簡単に口にだせるものではないと思います。生前に神は居ないと話はしていましたが、本書では少し丸くなった形で表現されていました。
「神」=「人格を持たない自然の法則」
アインシュタインも同じようにそういった感じ捉えるようです。宗教が絡むと色々難しそうです。
” 宇宙には人間のほかにも知的生命は存在するのか?”
何億年もかけて今の人類になった経緯を説明し、今の人類のようになるのはかなり確率が低い事であること。もしも宇宙から来訪者が地球に来た場合の事をアメリカを発見したコロンブスを例えて、先住民の生活がよくなったとは言い難いと現実論を述べらえていました。
確かに。科学レベルが違う来訪者とはうまくやっていけないかも知れないと私も思えてきました。そもそも遠すぎてくる事はできないとも書いていますが。
” 宇宙に植民地を建設するべきなのか? ”
ガンダムのコロニーとかの話とかになるのかと思っていましたが、月に基地を作成し、火星に何年後はいけるようになるかもという話でした。
この前の章の” 人間は地球で生きていくべきなのか?”と話がかぶるようになりますが、人類は宇宙に飛び出さないといけないとあります。人口の増加、環境の変化等の問題から人類はせざるを得ないのかも知れませんね。
最後の章は「科学」の重要性が他人事ではない事が述べられています。
現実、身の回りは電子ものばかり、昔の知識だけでは世の中についていけない。新しくて便利なものが次々と出てくるので、常に新しいものは知っておかないといけない。そういった観点からも科学は勉強した方がよさそうですね。科学が主流とはいきませんが、 子供達に言い聞かせたい。
最後に本書の”人工知能は人間より賢くなるのか”の章の〆に記載されている恐いブラックジョーク!?が気に入ったので記載します。
人間がコンピュータに尋ねた。
「神は存在するか?」
コンピュータはこう答えた。
「いまや、神はここにいる」
ウェストミンスター寺院でニュートン、ダーウィンと並んで眠るホーキング氏の最後の作品。楽しませてもらいました。